裏川 その三 ブナ入ノ平

7月の三連休初日、また裏川堰堤までやってきた。

5時に起きたが、雨模様だ

二度寝し8時前、小雨。 

沢の増水、トラバース区間の危険性をを考え、撤収が頭をよぎったが、家にいても仕方がない。

セブンのパンを食べ、9時頃出発した。 

要所口まで、二時間半、休憩していると、部分的に開けて明るい場所に、マムシがトグロを巻いていたので、足で踏んで捕獲。 ナルゲン1.5に確保。

マムシ

三時間ほどで、ナゴ沢下降地点に着く。

今回は、左岸枝沢に下降し、中間尾根へ登り、中間尾根から二俣へおり右岸へ登り返し、段丘へ向かう。

ナゴ沢、中間尾根より、二俣を見下ろす

ナゴ沢右岸段丘は水場も有り、快適なビバーク地だ、何度来ても心地が良い。

ナゴ沢右岸段丘

朝7時、段丘を出発し少し行くと、木の根元に寄り添うように、トグロを巻いたマムシと目があったので捕獲しナルゲンへ確保。

段丘から、ブナ入ノ平まで四箇所の渡渉がある。 これが厄介で危険。 沢床ギリギリまで、急斜面をずり落ちるように下降し、渡渉地点を確認し場合によっては、懸垂下降する。 二箇所目のトウガイ沢で、ちょうどよい雑木の支点があったので、懸垂下降した。

懸垂下降

トウガイ沢を越えると、水無沢だ。

名前によらず水があり、下降して意表をつかれた。

穏やかな形相で日が差すと心地が良い沢だ、右岸にはブナ入ノ平入口が見える。 やっとここまで来た。 清々しい気分だ。

水無沢

ここまで6時間ほどか、ブナ入り平に到着した。 ブナの幹に熊の爪痕が多見される。 ザックを置き、ブナ入り平を散策する。 

ブナ入ノ平

イメージ的には、古民家の天井の高い和室が、奥まで遮りなく続く感じだ。残念だが所々、ブルーシートのごみが目立つ

ブナ入ノ平

散策を終え、ブナ林にタープを張り横になっていると、土砂降りになる。

シーム処理した、タープの縫い目より、雨が滴る。 蚊取り線香に火をつけ、湯を沸かしパスタを食べ横になる。

雨が止むが、ひどい疲れで動けない。 そのまま、横になり朝を迎える。

朝飯を食べ、撤収の準備をしナルゲンを確認すると、なんとマムシが2匹とも嘔吐して死んでいたので、ブナの大地に置いて出発した。

マムシ絶命

1067地点、水晶峰の稜線まで籔を登る。 踏み跡があったり鉈目が多見。

無名尾根より大日方面

1067と水晶峰の鞍部には、これまたブルーシートの残骸がみられた。 うっすらだが踏み跡が残っている部分もあった。 水晶峰より南西の尾根、793と749を通り鉄塔巡視路に出た。

鉄塔巡視路

この三日間、鬱蒼とした裏川の山道と籔の中に居たため、外の光が眩しくて目がくらんだ。 夢が覚めた感じである  林道に降り堰堤まで2時間歩き帰路についた。

裏川左岸に延々と続く急斜面のトラバースと渡渉、途中諦めかけたが、水無沢に着いた時は、少しホッとしたような感動した気分になった。

最後までやり通せて本当に良かった。

今回の山行は、長島孝幸さんのサイトを山行にさせてもらいました。

飯豊連峰~四方沢の旅 – 飯豊連峰の沢を中心とする沢の記録