旧実川集落の旧五十嵐邸手前の、公衆トイレ前の駐車場に車を停め、ミニバイクで実川林道へ向かうが、五十嵐邸の少し先で、工事中のため、通行できなかった。 バイクを車に仕舞い、林道をいく。
去年の豪雨の影響でかなり林道は崩壊していた。 場所によっては、河原に降りて登り返すような崩壊現場もあった。 二時間ほどか、入渓地点の壺安橋に到着する。 橋の上で、ラバー沢靴にネオプレンソックスに履き替え入渓。 取水堰までは、径が続き、渡渉を繰り返しながら、遡行する、一時間ほどすると、立派な取水堰に着く。
ここからは、雪渓ありのちょっとした沢をさらに一時間ほど遡行すると、右岸に12m程の糸滝がみられる、その先の枝沢の左岸の尾根にスノーブリッジを利用して取りつく。 最初は急登で松や雑木に捕まりながら少しずつ登っていくと、797m少しなだらかな場所で、獣道に出る。
あとは、獣道沿いに途中ブナの林を左に見ながら緩やかに高度を上げると、水晶尾根の1067地点、南西にある鞍部に出る。 鞍部の残雪にてお湯を沸かし、持参したパンとコーヒーを飲み寛ぎ、無線出してみる。
声は聞こえるが、CQを出してもQSOは一度もなかった、ちょうど水晶峰に隠れて電波が飛ばないのだろう。 1067峰北西の尾根を下降していく、最初は藪っぽいが、赤松がみられると、ここもやはり獣道になっており歩きやすい。
去年、裏川左岸の道を通ってブナ入り平へ行った時に、帰路に使った尾根だ。 下降を続けること二時間ほどか、ブナ入り平へ降り立った、去年も来たがいい場所だ。
早速、タープを張り、寝床を作る。 一服するとブナ入り平を散策する、去年と何も変わっていない美しいブナ林が果てしなく広がっていた。 寝床へ戻り、音楽を聴きながらアルファ米とカレーにトムヤンクンヌードルを食べ、持参した芋焼酎を飲み、大自然の中で、最高の時間を過ごすと寝入ってしまった。
朝5時頃、動物たちの鳴き声で目を覚ます、ラーメンとコーヒーで朝食をとり、ブナ林を散策し撤収の準備を始める。 荷物をまとめ、水無沢で帰路の水分を補給し、来た尾根に取りつく、再度1067地点南西の鞍部で雪を溶かし、チョコレートバーとコーヒーで寛ぎながら、CQを出してみるが、応答はなかった。 会話だけが一方的に聞えてくるだけであった。
獣道を下り、壺安沢にでると、昨日はあったスノーブリッジが何か所か崩壊していた。 取水堰を過ぎ、壺安沢に掛かる橋にて、グラノーラと沢の冷水で溶かした、フリーズドライの甘酒を飲むと疲れが吹き飛んだ。 林道を二時間ほど歩き、崩壊した五十嵐邸を写真に収め、帰路に着いた。