裏川 ナゴ沢 弐

前回の翌週、また裏川を訪れた。 

今回は、下降器一式を揃えて挑む。 要所口まで2時間ほど、そこからナゴ沢左岸まで三時間かかった。

ここからが問題、左岸を延々とトラバースしながら下降ポイントが見つからない、もうやめようかと思ったが、ここだという場所に支点を作り、ハーネスをセットしようと思った矢先、下降器がすっぽ抜けて、飛んでいっった。 なんとか回収し下降する。 GPSをみると位置がおかしい、枝沢に下降してしまった。 二俣まで懸垂2回ほどしてたどり着く。 

右岸をみると、トラロープがぶら下がっているのがみえる。 ロープを頼りに尾根にあがり、段丘目指してくだる。 下降と懸垂にかなり時間と体力を奪われた、午後三時、段丘にてビバークすることとした。 

ナゴ沢右岸 段丘

段丘の地図上にある、広葉樹のマークの辺りなだらかな窪地に湧水がある。

ザックから荷物を取り出すと、大事な蚊取り線香がジップロックに入れていたにもかかわらず、浸水していた。 コンロで乾かしてなんとか火がつくようにして使った。 日が暮れる前に、櫛ノ倉沢出合まで行ってきた。

櫛ノ倉沢出合

翌朝6時、ナゴ沢左岸までの登り返しが気になるが出発。 

優雅に写真を撮る、左岸から、ロープが垂れ下がっている場所を登ると出合方面へ、ヘツリはじめるが途中、草木が途切れ、つかまる雑木がない急斜面のザレ場に出た、どうやってもこれは渡れない。 少しもどり上方へクライミングすると蜂の巣があり、左半身と顔を強烈に刺される。 素早くクライムダウンしヘツリ道をザレ場方面へ退避、血圧が下がるのが分かるほど、痛い。 30分ほど、休み少し斜め上方を見渡すと急斜面だが、雑木を掴み登れそうな場所を発見する。 荷物をその場に置き、空荷で偵察、行けそうだ。

荷物を装備し、登っていくと、あと少しで傾斜の緩やかな林にでられそうだが、最後だけ軽くオーバーハングしている。 イチかバチかで頼りない雑木を掴み、なんとか這い上がれた。 生きた心地がしないが、不思議と、なにか憑き物が落ちたような、スカッとした気持ちになれた。 

踏み跡をたどり、要所口経由で裏川堰堤までたどり着く 全身が痛くて痒い、登攀力には課題が残るが、充実した山行であった。 

櫛ノ倉沢出合対岸の段丘の石

2022 7.2〜7.3